第三章・「別離」その27


もどかしい私の世界二平米

妻の最期の外来があってから僕ひとり、主治医K先生と面談を持ちました
これまでは先のことは質問をしなかったのですが
この日は妻のターミナルケアも含めて今後のことを相談してきました


結局は自分で治すこの病

すでに妻はひと月近く、食べ物を摂ることができません
身体もまた一回り小さくなって、この二平米の世界をも持て余しています
明日になれば、明日は、奇跡が起きてベッドから起きられるかもしれません


入院を前にさっぱり身を清め

僕の携帯に癌研病院からベッドが確保できたとの連絡が入りました
主治医のK先生が用意してくださったのは癌研通りに面した個室でした
2000年10月6日、妻の癌研病院へ最期の入院です




s_yamamo@