第三章・「別離」その22


コンセント求める医師がオニに見え

専門病院での治療は手詰まりになってきました
『食べていれば、人間は死なない』と言っていた妻ですが
その食事も摂ることができなくなり、日に日に衰えていきます


「どうします」二者択一をしたり顔

癌研での治療がなくなった患者さんは他の病院に転院していくようです
幸い妻の実家は癌研からは至近距離です
実家のお母さんには負担ですが、妻は実家で過ごすことができます


データ―をつきつけられてさあさあさあ

本来、妻の病状では病院に入院して絶対安静なのでしょうが
近所の個人病院の往診を受けながら、実家のお母さんに頼っています
それでも、何か打つ手はないものかと僕一人で主治医のK先生を訪ねます




s_yamamo@