第三章・「別離」その21


先のこと問うても「それがどうなるの」

『私の余命は私が決める』という妻の言葉を尊重して
退院するときも、これからのことは主治医に質問はしません
主治医のK先生からも殊更、お話はありませんでした


「二号室」あっという間にできあがり

残された時間は出来るだけ自宅で過ごしたいと言う妻のために
介護ベッドを借りることになり、自宅の一室を
妻の姉と弟と僕の三人で家具を移動して、準備は整いました


混浴はパイプチェア―で半ズボン

病院から戻ってからヘルパーさんの手を借りて久し振りの入浴です
浴室まで、妻を車椅子に乗せてゆっくりと押していきます
浴槽に身体を沈めて、お風呂好きの妻はとても気持ち良さそうです




s_yamamo@