第三章・「別離」その17
懇々と心療内科で夜も更ける
告知を受けてから三年半の間、僕もこの病気を妻と見つめてきました
その間に摘出手術、放射線治療、再発、抗癌剤、転移と
はたして僕には妻と同じように対処できるのか、自信がありません
出来るならずっと傍にいてほしい
2000年9月になりました
『食べていれば、人間は死なない』と言っていた妻ですが
この頃から、徐々に、食事を摂ることが困難になってきてしまいました
どれほどに心待ちした空きベット
これまでに、肺に溜まった胸水を三回抜き取ってきました
胸水を取ると呼吸は楽になりますが、貴重な養分も一緒に抜き取られます
この入院で、胸水の溜まる隙間を癒着させる処置をすることになりました
s_yamamo@