第三章・「別離」その3


患者への講習会も板につき

妻には癌性胸水を抜き取る一泊二日の入院でしたが
病室にはそれぞれの事情に不安を抱えながらそれぞれの戦いがあります
患者同士、励ましながら厳しい状況を乗り切っていきます


「三重苦」しばしの間一つ取れ

肺を圧迫していた胸水がなくなって呼吸がかなり楽になりました
電話で報告をする妻の声には力が出てきましたが
膿や骨への転移による痛みと吐き気は相変わらず妻を悩ませます


痛み止め調整ミスで長い夜

妻の残した手帳には、朝セ(1)+ボ(1)、昼セ(1)、夜セ(1)+ロ(1)
記号のような文字が並んでいます
セはセデス、ボはボルタレン、ロはロキソニン、すべて鎮痛剤です




s_yamamo@