第三章・「別離」その2


処置室で主治医「お仕事がんばります」

胸水を抜き取る一泊二日の入院ですが
処置をするのは病棟にある処置室で行います
いつもは外来でお話しだけのK先生ですが、今度は針を肺まで刺して
注射器で胸水を抜き取ります


膿盆になみなみ一杯千cc

注射器で抜き取られた胸水を銀の膿盆に移します
胸水を抜けば呼吸は楽になりますが
妻が言う「いちごジュース」のようだった胸水と一緒に
たくさんの栄養も抜き取られてしまいます


主治医から「根性あり」とお墨付き

処置室には看護学校の実習生がK先生の処置するのを見学していました
K先生は妻の肩をぽんと叩いて、『この人、根性あるからね』と
実習生に話してたことを、妻は電話で誇らしげに報告してくれました




s_yamamo@