第一章・「再発」その55


三度目の「手術記念日」外来日

手術から三年を迎えた妻が恩人の貴婦人Sさんへ宛てたメールです

『Sさん、体調はいかがですか。病院で先日お目にかかった時は、とても病人に見えない程
お元気でした。息切れもしていなかったし、たっぷりとおしゃべりして楽しかったですネ。
このところ、大変な寒さで、特に御殿場あたりは冷え込むことでしょう。体調も崩しやす
い厳しい時だと思います。私は首と腰に放射線治療を受けました。副作用、厳しかった〜
吐き気と下痢に苦しめられました。今は(副作用が)ぬけて、食欲もでてきて、やっと頭が
冷静になってきたところです。今日は二人の手術記念日。お互いよく頑張ってここまでき
ました。これからも戦いは続くのですが、この三年間の私たちをちょっぴり誉めたいですネ。
もちろん、回りの人に支えられて生きた三年間、感謝です。 2000年2月28日 洋子』



記念日を主治医に告げて「頑張ります」

その日の外来も採血をしてCTを撮ってから1階の呼吸器外来待合のソファーで順番が来るのを待ちます
呼吸器内科のK先生は患者さんが納得のいくまで診察には時間をかけてくださいます
患者本人や家族への「告知」やこれからの治療方針の説明があるときは待ち時間も長くなります



癌研の優等生も四年生

執刀医のT先生は妻のことをいつの頃からか癌研の「優等生」と呼ぶようになりました
当時、妻は癌研で最年少の肺癌患者だったので、期待も込めてそう呼んでくださったのでしょう
そのT先生はこの年の春で癌研病院を去ることが決まっています



s_yamamo@