再発・「毒のあとさき」その二十


父の椅子借りて地蔵に手を合わす

通称「おばあちゃんの竹下通り」、散歩コースの「巣鴨地蔵通り」はそぞろ行くだけで元気が出る
途中、名物の「たいやき」とか、お肉屋さんの「コロッケ」を食べて、とげぬき地蔵の待つ「高岩寺」へ
散歩に来たときは欠かさずお参りを続けていたのに・・・



旧友の押す車椅子にも秋の風

都電沿線に住む妻の古い友人のYMさんとは散歩の途中に待ち合わせをしてお会いする
告知をうけて間もない頃、「私の状況を友だちにも知らせたいの」という妻の要望で
ご迷惑にならない範囲で、妻と僕のごく親しい友人へは手紙でお知らせした
YMさんとは同じ沿線ということもあって週末の午後、三人でよくお茶をしたものでした



「ありがとう」「おたがいさま」と交わす笑み

もう一昔前のことですが、新潟に居を構えることになった僕の幼なじみTくんを妻と訪ねました
彼とは家も近いこともあって小学校、中学校を通じて時間があれば一緒だった記憶があります
温かいおもてなしを受け、帰りの車の中で「男の人の友情っていいわね」と妻がひと言
YMさんと妻を見ていると「女性同士だって・・・・・」と言ってあげたかった



s_yamamo@