再発・「毒のあとさき」その十六
ハイティーのカップにそそぐ夏の風
箱根富士屋ホテルのティールームは大きな窓が開け放され中庭が見渡せます
ひと時の涼をとる人たちでほぼ満席でしたが運よく窓際のテーブルに案内されました
贅沢な時間と美味しい紅茶とケーキ、こんな時、妻が決まって口にする言葉があります
「至福の時ね・・・」、僕はもうこの言葉を聞くことはありません
箱根から一直線に「静蘭舎」
この夏、ドライブのもう一つのお楽しみは「句集」に度々登場してくださる貴婦人のSさんです
Sさんは妻と同じ日に手術をして「回復室」のあとも同じ病室で手術の傷を癒しました
Sさんにはご自身の厳しい状況にもかかわらず、妻をそして僕にも繰り返し励まして下さいました
僕たち二人の「命の恩人」です
スケジュールきっちりこなし終える夏
こうして妻と僕の夏休みは終わりました
s_yamamo@