再発・「毒のあとさき」その十五
誰からも分かりっこない言わなけりゃ
僕の10日間の夏休みが始まりました
抗癌剤加療からひと月がたっていましたが吐き気から開放されたわけではありません
妻は買ったばかりの「ウィグ」を着けて僕と我が家へ戻ります
久々に妻が迎える「おかえり」と
この年は4月に脳へ放射線治療の緊急入院、6月、7月は抗癌剤加療と入退院を繰り返し
横浜の我が家へは5月の連休を利用したものと治療の間隙をぬった週末の短いものでした
今度は主治医のK先生から「お守り」と称して大量の薬を頂戴し、半月の長逗留です
助手席の妻の瞳に波キラリ
行けるかどうかは微妙な状況でしたが箱根のホテルに予約をしておきました
「海が見たい」という妻のリクエストに、回り道をして真鶴道路を通り峠越えして箱根へ
夏の日差しをいっぱいに受け、キラキラと輝く海原が限りなくどこまでも続きます
s_yamamo@