再発・「毒のあとさき」その十二


へぼエース正常細胞だけに効き

ひと月のインターバルを取って二度に渡る入院治療の結果は・・・・・
「little progress」、無情にも妻のカルテにK先生の字で赤く書き込みがしてあります
エースを登板させたのに癌細胞を叩くことはできませんでした



「っざけんなよ」叫んでみたい内科医に

妻を苦しめたあの吐き気、むかつきは何だったのでしょ
このエース級でも「期待できる効果は五分の確率」と治療前に説明はありましたが
「やってみなければ分からない」というのが抗癌剤の現状のようです



二人への神のジェラシーまだ続き

「私たち試されてるのね」結果を聞かされた妻は僕に言いました
これまでだって何度も谷底に突き落とされながら
そのつど這い上がってきた妻の秘めた「闘志」が伝わるひと言です



s_yamamo@