再発・「毒のあとさき」その弐


外来で「再入院です」と妻一人

脳の腫瘍はどうにか放射線で押さえることができました
この入院は科学療法を受けるためで、生まれて初めての抗癌剤に
未知への不安と大きな期待の入り混じった入院となりました




眠剤が安らぎくれるつらい夜

一年半の間に書き上げた句はおよそ七百
その中でも妻の好きな句は病気に関するものが多く
この「句集・ガーベラ忌」の選句には妻の好みを優先しました


真実は君のいまある姿なり

この病気になって疑心暗鬼のなか
信じられるものは昨日の日常ではなく、明日の希望でもありません
今日のいまある自分の姿だけが信じることのできる事実です
それは僕たちにとってとても貴重なものでした

     

s_yamamo@