第二章・「安息」その14


頚椎のあたり大事に手を回す

隣りに寝ている妻の頚椎には肺から転移した腫瘍があります
寝返りを打つ彼女への手助も

扱いがやわやかくなります


願わずもスーパーモデルのような脚

「この病気がなければなぁー」と

細くなった自分の脚を撫でながら妻は言いました

母と娘と僕と、いつもと変わらぬ週末の茶の間です


秀才が毒に毒盛る医療ミス

妻が治療に通う病院で、前年にあった医療ミスが報道されました




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