第二章・「安息」その7


内科医とリニアックとの賭けに勝ち

2000年3月17日、僕の春休みを控えての外来です
春休みには兄夫婦の招待で富士の裾野にある温泉へ一泊旅行を予定しています
妻を時折り苦しめている吐き気は脳にある腫瘍が原因です



歯車がゆっくり廻る兆しあり

前日撮ったCTの結果を投光板に透かしながら
「変化ありませんね」という主治医の言葉に

「私はそんな気がしてた」とは妻のひとり言です


貴婦人の鶴の一声「いらしてね」

今度の旅行は僕のポリペクの結果面談と同じ日にに合わせてもらいました
病院のあとは予約を取ってくださった貴婦人のSさんをお礼かたがた訪問をします
妻にとってSさんを訪れるのはこれが最後となりました



s_yamamo@