第二章・「安息」その6


気がつけばかつらの下の髪そろう

妻が実家で過ごす日々にはかつらは無用です
散歩のときもかつらはつけずバンダナに帽子で出掛けます
産毛のように生え揃った髪を撫でてあげると妻はにこりと
僕を見上げます



土曜日は大好き日曜大嫌い

二人で楽しく過ごした土曜日が終わり日曜日の夕方になれば
僕は自宅に戻らなければなりません
「『シャボン玉ホリデー』の心境ね・・・」子供の頃のテレビ番組です



あの人とこの人たちとチト違う

外来で主治医と検査結果の説明を受けるとき
現在の病状とその治療についてはじっくりと相談しますが
「データーは私のことじゃないから」と見通しや先のことは質問しません
「先のことは私が決めますから」という妻に主治医のK先生も理解を示してくださいます



s_yamamo