第二章・「安息」その5


将来は貴重な今の積み重ね

第二章は「安息」としましたがこの頃も癌細胞は妻を蝕んでいきます
昨日と比べると何の変化もないように見えますが
この刹那、刹那をかみしめるように妻と時間を重ねるだけです



一日を一生の気で生きる日々

「一日一生」、妻のこの言葉には実感がこもります
腰骨に痛みがある日でも、吐き気の辛い一日も、朝から体調がよかった日も
一日は一日です
気力だけならこの病気には負けてはいない妻の日々です



内科医が首を傾げる肺の中

主治医にお願いして外来予約は土曜日に入れていただきます
妻は午前中にCTや採血を済ませ一階の外来でその結果と僕の到着を待ちます
長椅子で順番待ちをしている妻は僕が見てもとても癌患者には見えません



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